来週（3/10～3/14）注目の主要経済指標と市場への影響

2024年3月10日から3月14日にかけて、各国で重要な経済指標が発表されました。米国ではインフレの鈍化が確認され、FRBの金融政策の行方に注目が集まっています。カナダは政策金利を引き下げ、市場では追加利下げの可能性が議論されています。日本のGDPは安定した成長を示しましたが、外需の減速リスクが懸念されています。一方、英国では高インフレと金融引き締めが景気の足かせとなっています。本レポートでは、これらの指標の詳細と市場への影響について解説します。

1. 日本 10-12月期 四半期実質GDP（改定値）（3/11 08:50発表）

• 前期比：0.7%（前回 0.7%）
• 年率換算：2.8%（前回 2.8%）
• 日本経済の成長率は改定値でも変わらず、輸出の回復や個人消費の底堅さが景気の安定感を支えています。ただし、今後は外需の減速や金融政策の動向が成長に影響を与える可能性があります。

2. 米国 2月 消費者物価指数（CPI）（3/12 21:30発表）

• 前月比：0.3%（前回 0.5%）
• 前年同月比：2.9%（前回 3.0%）
• コアCPI（食品・エネルギー除く）
  • 前月比：0.3%（前回 0.4%）
  • 前年同月比：3.2%（前回 3.3%）
• 物価上昇圧力はやや鈍化し、インフレ鈍化の兆しが見られます。これにより、FRBは追加の利上げを見送る可能性が高まり、金融政策のスタンスがより緩和的になることが期待されます。

3. カナダ銀行 政策金利発表（3/12 22:45発表）

• 結果：2.75%（前回 3.00%）
• カナダ中銀は利下げを決定し、金融政策の緩和が進行中です。利下げの背景には、インフレ率の低下や景気減速への懸念があり、今後も追加の利下げが行われる可能性があります。市場は次回会合での政策動向に注目しています。

4. 米国 2月 卸売物価指数（PPI）（3/13 21:30発表）

• 前月比：0.3%（前回 0.4%）
• 前年同月比：3.2%（前回 3.5%）
• コアPPI（食品・エネルギー除く）
  • 前月比：0.3%（前回 0.3%）
  • 前年同月比：3.6%（前回 3.6%）
• 企業の仕入れコストは引き続き上昇しているものの、ペースは落ち着いています。特に製造業や小売業ではコスト上昇が利益率に影響を与えており、価格転嫁の動向が今後の重要なポイントとなります。

5. イギリス 1月 月次GDP（前月比）（3/14 16:00発表）

• 結果：0.1%（前回 0.4%）
• 英国経済の成長は鈍化し、景気の不透明感が増しています。特に高インフレや金融引き締め政策が個人消費や企業投資を抑制しており、今後の成長回復には労働市場や財政政策の動向が重要なポイントとなります。

市場への影響

• 米国のCPIとPPIの伸び鈍化により、FRBの利上げ終了の可能性が高まり、ドルが軟調となる可能性。
• カナダの利下げは、カナダドルの下落要因となりそう。
• 日本のGDP成長が安定しているため、円の動向も注目される。
• 英国の成長鈍化はポンドの弱含み要因となる可能性。

まとめ

今回の経済指標では、インフレの鈍化とそれに伴う金融政策の変化が各国市場に大きな影響を与えています。米国ではインフレ圧力が弱まり、FRBの利上げ終了や利下げの可能性が高まる中、ドルの動向が注目されます。カナダは利下げに踏み切り、今後の追加緩和の有無が市場の焦点となります。日本はGDP成長が安定しているものの、外需の減速リスクが依然として残っています。英国では高インフレと金融引き締めが成長を抑制しており、ポンド相場の不透明感が続く可能性があります。今後の市場動向を見極めるために、各国の中央銀行の政策発表やマクロ経済データに注視する必要があります。

• 米国のCPIとPPIの伸び鈍化により、FRBの利上げ終了の可能性が高まり、ドルが軟調となる可能性。
• カナダの利下げは、カナダドルの下落要因となりそう。
• 日本のGDP成長が安定しているため、円の動向も注目される。
• 英国の成長鈍化はポンドの弱含み要因となる可能性。